○○社長様  
 

 私は、小樽市にあるNPO法人かもめ保育園の高川と申します。
当保育園の前身の頃から最近まで約20年間にわたり園長を務め、現在は保育士として保育にあたりながら「子育て相談室長」として、園内外の母子の悩みに応じております。

思いあまった末の、お願いのメールを差し上げます。
貴社の関連会社が、北海道小樽市張碓町に建設を計画しているホテルについてでございます。予定地は当保育園の真向かいに当たり、それが計画通りに建てられるなら保育環境が決定的に損なわれると危惧するからです。ここは、何としても社長様のご寛容・お力におすがりしたいのです。

かもめ保育園は、22年前に民宿の2階を借り受けて数人の子どもを保育することからスタートしました。財政的に苦しい状態が続き様々な苦労をして資金を得ました。海岸で子どもたちがとった貝や昆布、漁師さんからもらった市場に出荷できない魚などを売ったり、近在のフリーマッケットにこまめに出店して手作りのお菓子や総菜を売ったり、駅頭に立って寄付を訴えたり、考えられる限りのことをしました。
そのような幾多の苦境をくぐり抜け守り続けてきた子どもたちのお城で、四季を通じて、恵まれた自然環境を享受して海や野山を駆けめぐることを重視した保育を行っております。そこに共感する父母の支持が広がり、在園児の半数は隣接の札幌市や余市町から登園するまでになり、園児数も安定してまいりました。
運営がようやく軌道に乗り、親子がともに育ち、助け合い、学びあいながら理想の保育を模索できる状態に至ったのは、現在地の環境の良さに負うところが大きいと考えています。
保育園の真向かいでホテルが営業されるとすれば、こうした良好な保育環境に大きな支障が生じ、運営が立ちゆかなくなる事態も憂慮されます。

社長様の率いるグループが新潟県でも有数の企業と伺い、私たちは象の足元で慌てふためく蟻のような存在だと思いましたが、何とぞ私どものささやかな「巣」がそこにあることにお知りいただき、計画の再考を促すようお力添えを賜りたく心からお願い申し上げます。
「社会正義倫理にかなっているかどうか、人々のためになる事業であるかどうか、私たちの起業と拡大によって困る人はいないかどうか」を考えて事業展開を図っているという社長ご自身のお考えをネットで拝見して、‘この方なら、お力になっていただけるかも知れない’と一筋の光明を見る思いがいたしました。

何度お願いしましてもお願いし足りない思いですが、どうか私どもの切なる願望を
お聞き届けいただきますよう、心からお願い申し上げます。


 
  2007年8月3日
○○○○○株式会社 社長
○○様 

小樽市桂岡町    
高川 紀九子

追伸 「心も体も丈夫な子を育てる」をスローガンに私どもが進めている保育については、ホームページ(http://www.npo-kamome.org/)で公開しておりますのでご覧いただければ幸いです。

 
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