NPOかもめ保育園

かもめ保育園15周年記念雑誌『つぶやき集』より一部抜粋

 
大木 和佳枝  
   

かもめの卒業証書に、「根を生やせ、幹を太らせかもめの子」とあります。
 今の世の中、便利さ、快適さ、早さなどばかりが追求される生活に慣れ、そうでなければ、満足しなくなっているように思います。子育てでも、早くできる・字が書けるなど目に見える部分が先行し、考える力・聞く力・創造力・集中力・ねばり強さ・やればできると思う心など目に見えない部分が置き去りにされていると感じます。
 我が子は、何でも早くできる子ではない。でも私が苦手なことを始めたとき、自分の体験で得たことで励ましてくれました。
「嫌なことがある時は、きれいだなーって思う所の葉っぱの匂いをかぐといい。スーッと吸ったらいい気持ちが入ってきて、ハーッて吐いたら嫌なことが出ていくの。汚い葉っぱはダメ。お母さん。やってごらん。」
 自然に触れる保育で、自然に癒される心をはぐくんでいた我が子・・・。親も前向きにと、考えさせられます。


 
谷 葉子  
   

上の子は幼稚園に行くと親子ともども思っていたので「いつ幼稚園に行くの?」と言ってました。
学校に行ってからは「幼稚園に行きたかった」などと言ったりしますが、私は子どもたちがかもめに行ってなかったら、あの体のしなやかさも、勉強にくらいついていく気持ちも、風邪をひいても長引かない体力も今ほどはなかったと思います。そして親も何が大切で自分たちには何が足りないのかわかってなかったと思います。


 

坂田 康子

 
   

かもめに通いだして1年4ヶ月、天来は、少しずつ変化してきました。
あんなに嫌いだった野菜を今では、一生懸命たべています。ほうれんそう、ブロッコリー、フキなど全く食べれなかったのに。フキは、自分で採ってきたから煮てほしい、「天来くんね、フキ食べれるんだ」と言って口に入れておいしそうに食べました。その時は、私も思わず涙が出そうになるほどうれしかったです。かもめの力はすごいな、友達の力はすごいな。
 今でも食べることには苦労しています。楽しいんだよ食事って、と言いたいんだけど、つい「まだなの?早く食べなさい!」ッと言ってしまい、毎日、言わなければよかったと反省しています。 
 ただ、他のお母さんたちや保母と話し、天来だけなのかなと気になっていたこどが、自分の子どもだけじゃなく、みんな少しずつ乗り越えていっているのを聞くと、’大丈夫、毎日少しずつやれば、私も天来もきっとステキな年長母と年長さんになれるよね’と思います。


 
室木 マリ  
   

かもめに入って一年が過ぎ、将輝は一歳九ヶ月になり、すくすくと育っています。子どもの将来って本当に早いもので、日々新しい発見があり、驚きと嬉しい思いでいっぱいです。
かもめに入り、食事や服の着脱など小さな頃から自分でやらせるということに驚きました。でも実際に、頑張って考えて自分で行動している姿を見ると、私が手伝ってあげることで将輝の意欲や可能性を摘み取っていたのだなと実感しています。かもめでの生活を通して友達の影響も受け、最近少しずつ変わってきているかなと感じています。私自信も「本当にただの我がままなのか?」「私を求めて泣いたり訴えたいことがあるのだろうのか」と、いつも悩み迷いながら、将輝と一緒に考え育っていければと思います。


 

今西 いく恵

 
   

春のふきのとう採りからどろんこあそび、夏の海あそび、秋の山登り、冬のそり、雪あそび、とにかくめいいっぱい自然の中であそぶことが当たり前のたくましい子どもたちになってくれたのも「かもめ」で育ったからこそだと思っています。
 普通の保育園に入っていたら共働きで忙しい毎日だけで何も残らないままに、あっという間に幼児期が終わってしまったのではと思います。「かもめ」は懇談会から行事等と親の参加が多く大変な反面、勉強したり、自分の生き方をふりかえる機会も多く、子どもを育てることで、親自身が育てられていくことを実感しています。


 
本田 弘美  
   

足が弱い・・けりがない・・と足が弱かったまゆ佳。思い返してみれば、まだ歩き始めた1才過ぎの頃から、私は、自分が楽だからという気持ちで、ちょっとその辺に出かける時でもベビーカーや車を頻繁に利用していて、歩かせることをしていなかった。そういう自分を悔やむとともに、まゆ佳に申し訳なかったな・・・と思いました。やっぱり歩くのが苦手で、散歩の時はいつも一番最後からやっとついていくという感じだったそうです。朝、かもめの駐車場から園舎までの距離も歩きずらそうにしている姿は今でも目にやきついています。
 「いやー歩くって気持ちいいね−、お母さん!」と休みの日、買い物に行く途中でまゆ佳が私に言いました。これを聞いた時、私はとてもうれしくて幸せな気持ちになりました。3才2ヶ月からかもめのお世話になり、早いものでもう卒園。淋しいですね。高川園長はじめ、保母の皆さんの「体ごとぶつかってきてくれる保育」に感謝の気持ちでいっぱいです。


 
町田 あゆみ  
   

6才までの幼児期をかもめで過ごせたことは、子どもにとって最高に幸せなことでした。かもめの保育のことを聞いて「ひらがなも覚えないで小学校に入って大丈夫なんだろうか?」という心配をする人も結構いるように思いますが、本当に全く無用な心配です。あえて学校の勉強だけに限って言いますが、「自分で考える」「自分でやる」ということがかもめでしっかり身に付いている子どもたちは、新しいことに向かうときの意欲と集中力が全然ちがうようです。早期教育を受けた子の方が、確かに読むの計算するのも上手なのですが、落ち着きがなく、授業に集中できない子が多いようです。これは、授業内容をすでに習って知っているということだけが理由ではないと思います。学年が進み、次々と新しいことを学び、粘り強い努力も自分なりの創意工夫も求められるようになっていったときに、どちらがしっかりとそれを乗り越えていけるか、答えは明らかだと思います。

    一年生の教室から        PTA広報部発行  『さんぽみちより』

  ひらがなの学習をひととおり終えた、やれやれだ。
       『 がっこのしくだいおやってからごはんおたべましたおいしかったよ 』

  これは、全く文字に接することなく入学した子が、最近書いた作文だ。大ゲサに言うと
  ・・・人類が何百年、何世紀もかかって創り上げ、伝えてきた文字をわずか三ヶ月で習得
  してしまうスゴサを思う。
   さあ次は、くっつき[助詞]の「を」の学習だ。その前に、入学して六日目に書いた、
  つたない、でも真剣なおももちで画用紙に向かった。”自分の名前”を見せてあげよう。
  わずか数カ月前の過去の自分の文字を見て、こう言うだろう。
  「わあ、へたくそっ。」と。そして自分の成長のスゴサを実感することだろう。
   えっ、もう7月。漢字の勉強もしなくては。
  やれやれなどと言っている間はない。
                      〜1年生の担任の先生より〜



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